こだわり匠の技
大工の手から
生まれる家。
岩木建築の家は、大工が作業場で木を一本ずつ刻んで組み上げています。機械加工では対応できない仕事が、住宅にも社寺にもあるからです。
効率やスピードよりも、何十年と建ち続ける強さを。岩木建築の大工が続けている仕事をご紹介します。
プレカットではできない
家づくり
現在の家づくりの多くは、工場で機械加工された「プレカット材」を使います。岩木建築は、プレカットでは対応できない仕事を得意としています。
木は一本ずつ、「クセ」や「反り」、強度が違います。機械はすべての木を均一に加工してしまいますが、熟練の大工は一本一本の個性を見極め、適材適所に使い分けます。
手作業でしか引き出せない木の強さがあります。長持ちする家を建てるために、この工程は省けません。
岩木建築が守り続ける「伝統の技」
木配り(きくばり)
木の個性を読み解く
同じ山で育った木でも、右にねじれるもの、左に反るものがあります。大工は木の「元と先」や「背と腹」を見極め、それぞれの個性が家全体の強度を支える力に変わるよう、配置を決めていきます。どの木をどこに使うかで、家の強さが変わります。図面には書かれていない判断です。
原寸図(げんすんず)
実物大で、曲線を確かめる
社寺建築の屋根には、独特の曲線があります。この曲線を正確に出すため、作業場の床に実物大の図面を描きます。図面を縮尺で見ているだけでは分からない納まりが、原寸で描くと見えてきます。住宅でも、納まりが複雑な部分は同じように確かめます。
墨付け(すみつけ)
家づくりの設計図を木に刻む
木配りで見極めた性質をもとに、加工するための印(墨)をつけていく作業です。大工自身が現場を想像し、どの木をどこに、どの向きで使うか。どこか一本でも間違えると、後の工程すべてに影響します。図面と木を何度も見比べながら進めていきます。
手刻み(てきざみ)
墨に沿って、木を削り出す
墨付けされた印に沿って、ノコギリやノミなどの道具を使い、大工自身の手で加工していきます。プレカットでは扱えない複雑な加工や、ミリ単位の微調整を重ねることで、木と木がピタリと噛み合う強固な骨組みを生み出します。作業場では、いまもノミの音が響いています。
刻んだ材は、現場へ運ぶ前に一度組み立てて確認します。このひと手間があるから、現場での納まりに狂いが出ません。
継手・仕口(つぎて・しぐち)
金物だけに頼らない、強靭な「木組み」
伝統的な「木組み」は、金物だけに頼らず、木と木をパズルのように強固に噛み合わせます。何百年と建ち続けているお寺や神社は、この仕口で支えられています。社寺建築で培った技術を、住宅の現場でもそのまま使っています。
手鉋(てかんな)
艶を引き出し、長持ちさせる
機械のやすりで削った木は繊維が傷ついてしまいますが、研ぎ澄まされた手鉋で仕上げた木の表面は、繊維が切りそろえられて平らになり、水を含みにくくなります。木本来のツヤと香りを引き出し、家を長持ちさせる。見えなくなる部分こそ、手をかけておきます。